本日は、「便益(べんえき)」「ベネフィット」について触れてみます。
ベネフィットは、数あるブランド・エクイティの中でも、最重要なブランド・エクイティで、消費者が商品を選択する本当の理由です。ベネフィットは、ブランド・エクイティの中で消費者が価値の対価として、金銭を支払う価値があると認めるものであり、ターゲット消費者の無意識の欲求やニーズやインサイトが欲している価値です。
製品やサービスそれ自体は便益ではありません。
自社の製品・サービスが顧客に提供する価値を考えてみます。製品やサービスの機能の提供価値が「給与」だとしたら、便益は「給与以外の就業動機の中でもっともな理由」に当たるものです。例えば、「給与以外の就業動機の中でもっともな理由」とは、家から近い、家から遠い(から通勤で自分の時間が作れる)、会社の社長がかっこいい、歴史ある企業で地元で有名など消費者によって便益は異なります。
便益とは?
- 便益は消費者が商品を買ったりサービスを利用する「本当の理由」です。
- 消費者の便益を見誤ると的外れな施策を実施する可能性が生じてしまいます。便益を正しく見極めることで、提供手段やタッチポイントが全て無価値になってしまう可能性を防ぐことができます。
スキマバイトサービス「タイミー」の便益
タイミーは、働きたい時間と働いてほしい時間をマッチングするアプリです。ユーザーは自分のスケジュールに合わせて自由にバイトを選び、履歴書や面接なしで簡単に仕事を始めることができます。
就業形態や期間に捉われることなく「働きたい時間と働いてほしい時間をマッチングするアプリ」としてタイミーは独自の便益を提供しています。
例えば、仕事が終わった直後に報酬を受け取ることが可能 (プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES) 、柔軟な働き方、企業側の利便性など2wayプラットフォーマーとして就業希望者と企業側それぞれに便益を提供しているところが企業価値に繋がっている好事例です。
ターゲット消費者から便益を定義
生活者が特定の選択、意思決定の際に「なんで人によって違うのか?」ということがポイントになります。
生活者の意思決定の違いがセグメントの切り口になります。セグメントを定義して、セグメントターゲットごとに便益を定義するという流れが大筋の流れでしょうか?
自社の市場カテゴリと自社の提供商品からまずはメインターゲット選択します。メインターゲットを定義したのち、メインターゲットに対するベネフィットを定義します。メインターゲットからさらに細分化したターゲット定義に合わせてさらにベネフィットを定義します。
ターゲットを定義したら、行動やニーズなどのサイコグラフィック情報から便益を特定することができればまずはスタートラインです。