シセイラボ代表の武山です。デジタル導入は単なる技術の導入ではなく、組織の規模、顧客への影響、そして社員のモチベーションを総合的に考慮したバランスの取れたアプローチが成功の鍵となります。下記は当社で導入しているSaaSアプリの一例です。
①「御社には何人いますか?」デジタル導入戦略
さいしょに重要な観点は御社のヒト資源である従業員規模です。
従業員100名以下の組織では、経営者による直接的なコミュニケーションが可能である一方、限られた経営資源とデジタル専門人材の不足という課題があります。この規模では、経営者主導による強いリーダーシップと小規模なパイロットプロジェクトから始める段階的アプローチが効果的です。
一方で、従業員100名超の組織では、組織構造の複雑化により「何をアクションしても」常に新たな課題が生まれます。「100人の壁」と呼ばれる現象により、経営者による直接的なマネジメントが困難になり、中間マネジメント層の育成と部門横断的なプロジェクト体制の構築が必要となります。
従業員100名超の組織では、各部門や各サービスのマネジメント層が協力的になる環境づくりを優先させることが重要となります。従業員が100名以上規模の会社様の場合、当社では、マネジメント層向けのアカデミーを開催してデジタルやAIに関する研修を実施しています。

②「お客様は喜びますか?」顧客価値を重視したデジタル化
デジタル導入において最も重要なのは、「顧客にとって価値があるか?」です。単なるクーポン配布などの表面的なメリットではなく、24時間365日の対応可能性、「困った時の」パーソナライズされたサービス提供、より迅速な問題解決など、本質的な顧客体験の向上を目指します。
一方で、複雑で使いにくいシステムや頻繁な通知による顧客の負担、デジタル化により直接的なコミュニケーション機会が減るリスクなど、避けるべきデジタル化も存在します。
あなたの会社のデジタル施策は本当に「お客さんに寄り添っていますか?」規模が大きくなるほどに、この視点が重要になります。現場スタッフが最も威力を発揮する場面です。
③「社員の言い訳のまとになっていませんか?」社員モチベーション低下への対策
デジタル導入時に最も注意すべきは、社員のモチベーション低下です。新しいシステムへの不安、スキル不足による自信喪失、変化への抵抗感、仕事の意味や価値の見失いなどが主な原因となります。
特に企業規模が100名を超える場合、多くのケース、多くの場面で、デジタル化を成果未達の言い訳にする社員は一定数出現します。
効果的な対策は場面やタイミングで様々ですが、段階的導入アプローチ(準備段階→小規模実験→段階的拡大)と、社内に応援されるシンプルで分かりやすいビジョンの共有、参加型アプローチ、継続的な教育と支援が重要です。
様々な、段階を丁寧に設定することで、実感を感じていただきながら「気がついたらデジタル化」が実現しているはずです。
DXで重要なこと
デジタル導入の成功は、技術の選択や導入方法だけでなく、組織の規模や特性、顧客への影響、そして社員のモチベーションを総合的に考慮したバランスの取れたアプローチにかかっています。
特に重要なのは、デジタル化を「目的」ではなく「手段」として位置づけ、企業の本質的な価値創造に貢献するものとして進めることです。社員一人ひとりがデジタル変革を「自分ごと」として捉え、顧客により良い体験を提供するためのツールとして活用できるよう、継続的な支援と改善を行っていくことが求められます。
当社のようなプロジェクトマネジメント会社は、困った時、困った環境で最も威力を発揮しています。まずは、楽しむ進め方か?学ぶ姿勢の中でデジタル化を進めるか?強制力を働かせるか?様々なアプローチの中で、今は何が最適か?ということが「なんとなく」ではなく、決められると良いですね。
株式会社SHISEILABOは、データの可視化やデータの活用が「お客様のため」という前提で全てのプロジェクトを遂行しています。顧客管理データも受注管理データも全ては「お客様のため」です。
当社はデータ活用や企業のデジタル化支援を通じて、社会課題の解決と企業価値の向上の両立を目指してまいります。