検索キーワードの3種類 #4 – 具体的な施策例

記事を共有する

株式会社シセイラボです。本日は前回のGoogle広告に引き続き、具体的な取り組み方、アプローチについて触れてみたいと思います。

前回の記事はこちらです。最初に成果を上げるためのキーワードの収集方法です。

①キーワード収集方法

自社のブランドや商品はどんなキーワードで検索されているか?

多くの経営者から「ユーザーが実際に使っている検索キーワードを確認する方法はあるのでしょうか?」という趣旨の質問をよく受けます。ユーザーが実際に使っているキーワードを確認できることが、意外に知られていないということです。

最も信頼性の高い方法として、当社ではGoogle Search Console(GSC)の検索クエリを抽出しています。また、Google広告を出稿している企業様の場合は、広告の検索語句を共有しています。

上記の2つについては社内で完結できる最も信頼性の高いキーワードの確認方法ですが、ベンチマークしている上位競合の動向から知るというのも一つの手段です。例えば、競合が出稿しているGoogle広告のタイトル見出しに使われているキーワードはユーザーが検索する確率の高いキーワードになります。

キーワードの分類方法

Google Search Consoleなどでダウンロードしたキーワード(クエリ)をGoogleスプレッドシートに保存したら、下記の計算式でキーワードを分類します。

自動分類の初期ルール(Googleスプレッドシート例)

=IF(REGEXMATCH(A2,"(公式|ログイン|住所|営業時間|電話|アクセス)"),"ナビゲーショナル",
 IF(REGEXMATCH(A2,"(購入|予約|申し込み|見積|価格|在庫|クーポン|通販)"),"トランザクショナル",
 "インフォメーショナル"))

A列にキーワード(クエリ)がある前提です。B列に上記の数式をそのままペーストすることで利用できます。公式、ログイン、購入…などのキーワードは御社独自のものをご利用ください。

キーワードは御社の「強み」

ナビゲーショナルキーワード(社名、ブランド名、商品名、公式、店舗名、住所、営業時間など)、インフォメーショナルキーワード(とは、カテゴリごとの抽象度の高いキーワードなど)、トランザクショナルキーワード(購入、予約、申し込み、見積、価格、在庫、クーポン、通販など)が分類できればそれぞれのキーワードは御社の「強み」として捉えることが重要です。

その上で、定期的にコンテンツを設計、改善していくことで良いPDCAが回せるようになります。

インフォメーショナルキーワード×コンテンツ設計

インフォメーショナルキーワードからLPを設計する場合は下記の流れが参考です。

  • Title:{テーマ}|{結論を一言}(公式)
  • 導入:悩みの言語化→結論の先出し→読むメリット
  • 目次:H2/H3で体系化
  • 本文:定義→手順→比較→注意点→事例→チェックリスト
  • 証拠:一次データ/図表/画像/埋め込み動画
  • CTA:資料DL/チェックリスト配布/無料診断
  • FAQ:検索意図に沿った短文回答(構造化データでFAQ)
  • スキーマ:Article+FAQ+Breadcrumb

トランザクショナルキーワード×コンテンツ設計

トランザクショナルキーワードからLPを設計する場合は下記の流れが参考です。

  1. ヒーローエリア:約束+証拠+CTA(価格/納期/返金保証/実績)
  2. 社会的証明:レビュー、受賞、導入社数
  3. 製品価値:3〜5つのベネフィットを短文×アイコン
  4. 仕組み/仕様:図解、注意事項
  5. 料金/プラン:選び方ガイド+おすすめの明示
  6. よくある質問:不安の先回り
  7. 最終CTA:電話/チャット/申込み(固定ボタンも)

広告文例

それでは、3種類それぞれの見出しと説明文のイメージを共有してみます。広告テキストは意図合わせが重要です。

ナビゲーショナル(指名)キーワード

見出し:「【公式】◯◯|ログインはこちら」

説明文:「サポート・FAQ・営業時間。最短で目的のページへ。」

ナビゲーショナルキーワードを使う場合は、ブランド名の揺れ・揺らぎを(カタカナ・英字・略称・旧社名)って、統一したキーワードを使うことが大切です。広告以外のInstagram、Facebook、GMB(Googleビジネスプロフィール)で使うキーワードは正確に統一し、住所や営業時間、写真やQ&Aなどに改変や変更がある場合は最新の名称に変更しましょう。また、コアページ(ログイン画面、料金、店舗)を1クリック到達できるように設計しましょう。

インフォメーショナルキーワード

見出し:「◯◯とは?3分で要点解説」

説明文:「失敗例と成功事例、無料チェックリスト配布中。」

トランザクショナルキーワード

見出し:「今日のご注文で最短即日発送|◯◯」

説明文:「30日返金保証/初回限定◯%OFF/在庫わずか。」

競合が強い市場カテゴリの「合わせ技」

  1. 検索広告では、指名キーワードで刈り取り+DSA(Dynamic Search Ads|動的検索広告)でロングテールキーワードを動的に運用する
  2. LPコンテンツ内の価格表など競合比較ページ(◯◯ vs △△ vs 当社)は中立のトーンで表現することで情報の純度を高めSEO/LLMOともに評価されることを目指します。
  3. YouTubeを使った需要喚起を大切にします。顧客が気が付いていないニーズを教育系クリエイティブで想起を増やしましょう。
  4. リマーケティング広告を運用します。例えば、記事閲覧者へ料金ページの閲覧完了で入札強化するなど、訪問者に温度差をつけることが重要です。

実装チェックリスト

まとめの前に、これまで全4回にわたって解説した検索キーワードの3種類を使った、具体的なSEO対策やGoogle広告の運用に関するチェックリストを整理してみました。

実装チェックリスト

  • キーワードを3分類し、ページとCTAを割り当てたか?
  • 指名(ナビ)で1位+サイトリンクが出るか?
  • インフォメーショナルキーワードを採用した記事ごとに次アクション(DL/事例/比較)が明確か?
  • 取引系ページは3秒で価格・特典・CTAが見えるか?
  • LLMO対策のための構造化データ(Article/FAQ/Product/Local/Review)を実装しているか?
  • 広告のマッチタイプ/除外語/オーディエンスを意図別に最適化しているか?
  • P-Max+検索の役割分担を定義(新規獲得 vs 刈り取り)しているか?
  • KPI(ソフトCV、CVR、CPA、ROAS)を意図別にトラッキングしているか?

最初は大変ですが、慣れたら感覚的にキーワードを最大限に活用し、結果を短期間で達成することができるようになるでしょう。

まとめ

全4回にわたった検索キーワードの3種類を使ったデジタル施策についてご覧いただきありがとうございました。重要な概念は、ユーザーの検索は『質問』、企業が用意するページは『回答』、広告は『最短ルート』ということです。その上でナビゲーショナルキーワードには最短導線を、インフォメーショナルには信頼と学びを、トランザクショナルには迷いゼロの決断材料を用意しましょう。

3つの意図でコンテンツと広告を分業させれば、無駄なコストが消え、CVRと顧客体験が同時に伸びます。今日やることはひとつだけです。まずは、自社の検索語を3分類し、ページと広告を“意図”で並べ替えるという発想をなんとなく感じ取っていただければ幸いです。これが最短のSEO×広告統合戦略です。

ご覧いただきありがとうございました。

記事を共有する